コストダウンに終わりはありません。特に住宅の建築は、膨大な数の資材と工程から成り立っており、いくらでもコストダウンの糸目はあります。その後も、さまざま積み重ねてきました。もう少し、具体例をご紹介してみましょう。人間にとって、上を向いて行う作業は、横向きに行う作業に比べて4倍時間がかかるといわれます。そこで、天井を張る下地(野縁といいます)を、木からスチールに換えました。スチールにすると材料費は高くなりますが、野縁の組み立てが的確にでき、大幅に作業効率がアップします。電気配線工頃は、工場で各住宅にあわせてあらかじめ電線を必要な長さにカットし、ひとつのユニットにまとめて現場に運び込むようにしました。これにより、現場で、電線を切ったり、つないだりする作業がほとんどなくなり、人工作業への影響も少なくなりました。外壁に張る窯業系の外壁材をサイディングといいます。このサイディングは通常、幅45・5m長さ4mあり、順に横張りしていきます。ところが、建物の外壁の高さというのは必ずしも45.5mの倍数になるわけではなく、端数が出ます。以前は数センチの端数が出て、その場合は1枚から端数分を切り出して残りの大部分は廃材としていました。そこで、天井高に影響が出ないように外壁の高さだけを数センチ下げるよう工夫することで、サイディングの必要枚数はもちろん、カットの手間や廃材処理費などを減らすことができました。室内の壁の下地には、防火性や遮音性を確保するため、石膏ボードを張ります。石膏ボードは通常、一度に現場に搬入し、後は大工さんが必要な箇所に運んで工事をします。ところが、石膏ボードは重い上に、サイズが幅1m、高さ2.4mもあります。これでは、2階に運び上げるときなど大変な苦労です。そこで、石膏ボードのサイズを扱いやすさと作業効率を考えて、1m×2mとしています。
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