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東日本大震災と家

2011.12.09

不幸にも甚大な被害となり、多くの尊い命が失われてしまいました。私は、震災後に東北の被災地に出向きました。高さ十数メートルにも及ぶ大津波の恐るべき爪痕を目の当たりにし、多くの家族が住んでいたであろう家々の無惨な基礎の残骸と瓦牒を前にしたとき、人命や生活を守るべき「住まいの専門家」の一人として、とてつもなく大きな絶望感に襲われたのです。その時の家族の恐怖が手に取るように想い浮かび、悲痛な叫び声が耳の中で聞こえ、涙がとめどなく流れてきました。

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未曾有の大震災と原発の事故が重なって電気の恵みのありようも大きく変わり、これからの住まいづくりの考え方、そしてそこでの生活までが大きく変わっていきそうです。電化、電化で発展してきたわが国も、突然電気が消えて街が暗くなって初めて、人々は家のありがたさを感じ、家族を意識するようになったのです。蝋燭のあのゆらゆらとした灯りに浮かぶ家族の不安げな顔を初めて見たという人も多いのではないでしょうか。実は、この集いあう姿こそが古来人類が営々と続けてきた団槃のもともとの姿ではないでしょうか。今は平穏に暮らしている人や、住まいづくりの専門家にとっても、何か幸せで、何か安心な家なのでしょうか?東海・東南海・南海大地震も案じられる中、住む場所と家の形を真剣に考える時がやって来たと思います。





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