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漫画のようなシステムは変わらない土地収用法改定

2011.11.25

先に進むまえに、東京圏の報告書に、都市再生にからんで市民の側から見逃せない提案があったことを指摘しておきたい。同報告はこういっていた。「現在の土地収用制度には多数当事者への対応など迅速性、簡潔性に欠ける点があり、不合理が指摘されている。したがって、土地収用法を見直して手続の迅速化等を図り、都市再生の成果が短期間に着実に上がるようにすべきである」これを受けて、森内閣は翌年二〇〇一年の国会に、土地収用法の改定案を提出した。

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土地収用の手続は二段階である。国土交通大臣か都道府県知事が、強制収用の申請対象になった事業に公共性があるかどうか判断する「事業認定」と、各都道府県の収用委員会が行なう「収用採決」の二つである。従来の土地収用法では、事業者が国土交通大臣や都道府県知事、決定者も国土交通大臣、都道府県知事であった。自分で収用申請し、自分が認可するという漫画のようなシステムであった。ここでは被告人と裁判官が同一である。申請された事業で認定を否定されたものは一件もないという事実はその滑稽さを象徴している。しかも、事業が固まってから認定を申請するので、どんなに不当な事業でもとまらない仕組みがここにもある。したがって、事業認定には、行政から完全に独立し、関係住民も参加できる第三者機関と、客観的な評価基準の導入が必要だという批判が繰り返されてきた。改定法案は、この批判にも答えようという意味ももっていたが、別の狙いもある。認定の公平さについて、第三者による意見聴取や公聴会の開催を新たに義務づけ、また事業者に関係住民への事前説明会の開催なども義務づけた。しかし実はこの第三者機関は、国土交通大臣の場合は「社会資本整備審議会」に、都道府県知事の場合には条例で定める機関にするとなっていた。この委員はいずれも事業認定者である国土交通大臣あるいは知事が任命する。被告人は衣を被っただけに過ぎないのである。





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