金融会社では、自己破産で生じた焦げ付きを会計上、欠損金として処理するが、その欠損金に占める自己破産の割合は二割弱で、貸し倒れの五割以上は債務者の行方不明によるものだ。このため自己破産の仕組みを知ってか知らずか、とにかく借金取りから逃げ回っている人が、少なく見積もっても一〇万人前後はいると見られている。実際、住宅ローンの延滞で代位弁済→競売に付される人も音信不通になるケースが多い。また、金融業者が借金返済で債務者を訴える貸金請求訴訟は、年間一〇〇万件くらい起きている。ここで訴えられている債務者は、その多くが自己破産以外に道のない深刻な多重債務者で、夜逃げ、犯罪、自殺など破滅的な行動に走る予備軍でもある。ちなみに九四年度の「警察白書」によれば、生活苦を理由に自殺した人は約二五〇〇人に上る。当然、この中には、住宅ローンの返済につまずいて人生を誤った人も含まれるだろう。こうした悲劇の一方で、消費者金融(サラ金)の大手各社は、九五年三月期に軒並み過去最高益を記録、不良債権に苦しむ銀行をよそに快走を続けている。これは二十四時間ATMの増設によって利用者が急増しているためだ。何とも不気味な動きで、これも蓄積するガスの一つといえる。
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